【最愛の人がASD?】『夫と心が通わない』【ネタバレ】

夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話 漫画

こんにちは。漫画大好き編集者のグルリンゴ(@entame13423)です。

今回ご紹介するのは、『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』です。

これは辛い物語……いえ、実話ということなので物語というのも変でしょうか。
カサンドラ症候群とは、家族など近しい人が自閉スペクトラム症(ASD)であり、コミュニケーションの難しさが理解されず不調が現れてしまっている状態を指します。

グルリンゴについて


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『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』感想(ネタバレ)

個人的星取

4.0 切実すぎる問題に涙。

Amazon星取

2023年6月9日 
☆:5.0
レビュー数:1

作者紹介

●鳥頭ゆば:人気育児ブログ『トリあたま絵日記』を運営するイラストレーター・ブロガーの、お絵かき大好き主婦。既刊『ぼっち育児楽しんでます』『顔で選んだダンナはモラハラの塊でした』(作画)。

●アゴ山:アスペルガー症候群の元夫の影響でカサンドラ症候群になり離婚が成立した二児のシングルマザー。元ギャル。

(引用:Amazon商品紹介ページ)

あらすじ・概要

長い結婚生活の中、夫が心の底から笑ったことはあったのだろうか

<カサンドラ症候群とは…>
発達障害特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことの困難を感じている人々が抱える重いストレスを原因とする、身体的・精神的症状のこと。

本作は実際に「カサンドラ」状態になった妻アゴ山さんが苦悩し、夫と離婚するまでを赤裸々に描いたコミックエッセイ。
可愛らしい絵柄で作画を担当するのは、鳥頭ゆば(『顔で選んだダンナはモラハラの塊でした』KADOKAWA等)さん。

カサンドラ症候群専門カウンセラー真行結子先生との書籍限定特別対談「カサンドラ症候群への対処法と夫婦の幸せのあり方」を収録!

(引用:Amazon商品紹介ページ)

感想・評価

実話だからこそ真に迫る

作者・アゴ山さんの実話ということで、より真に迫る内容になっています。

主要登場人物は、妻のアコと夫のユーマ。
アコは明るい性格。ユーマは反対に無口で、いつもボーっとしています。

付き合った当初は、ユーマの天然キャラで穏やかな性格に惹かれたアコ。
子供が生まれる前までは、何でも相談を聞いてくれる良い夫と思っていました。いつもリアクションは薄いけど、何も受け付けてくれない夫よりはマシだろう。

子供が生まれて夫婦仲が一変

しかし、子供が生まれてから、様相が一変します。
子供が生まれると、家族内で相談しなければならない切実な案件が発生します。そんな時でも、夫のユーマはリアクションが薄く、いつもうつむいて黙ってしまう。

しかしこのことを友人に相談しても「男はみんなそう」「ギャンブルやらないだけまし」「文句言うなんて贅沢」なんて言われてしまいます。

あぁ……自分の悩みを他者に全く理解してもらえない状況が読んでいて辛いです。

ユーマは直接的なDVをしてくるわけでもなく、モラハラ気質なわけでもありません。
でも、一緒に笑ってはくれないし、相談に乗ってくれない。
そんな状況が、アコを追い詰めていくのです……。

カサンドラ症候群とは

数年前からSNSを騒がしていたのが、本作のテーマであるカサンドラ症候群です。

カサンドラ症候群とは、家族など近しい人にASDの人がいて、ASDへの対応に苦慮している人物が、心身に不調をきたすことを言います。
ユーマは、アコが身ごもった時でさえ、子供が生まれた瞬間でさえ、喜びを表に出しません。

それどころか、自分の娘・しずくの言動に不安を覚えたアコに対して、「アコはしずくを発達障害にさせたいの?」と言い放ちます。

夫婦の心は離れます。アコは、ユーマの同意を待たず、娘の検査をするために、病院に予約をいれます。
しずくが発達障害なら、それに伴う育て方があるはずーーアコは前向きに問題を捉えようとしていました。

それなのに、ユーマは検査を嫌がります。
結果は「自閉症スペクトラム」。いわゆるASDのことで、アスペルガー症候群などを含む、発達障害の総称です。
しかし医師からの診断がくだったあとも、ユーマはその事実を認めたがりません。

子供の発達障害を受け入れるために

本作、ユーマの言動が「負」のものとして描かれています(悪ではなく、負)。

しかし、わかる気もするのです。娘が発達障害であることをすぐに受け入れることが難しい人たちも大勢います(アコがすぐに受け入れられた、とかではなく)。

そして後々わかりますが、ユーマ自身が発達障害の傾向があり、彼自身のコントロールできないところで、事態は進展してしまいます。

このやるせなさ……アコに共感しつつ、ユーマもかわいそうと思ってしまう私のような読者はおかしいでしょうか。

しかしそれでも、ユーマは発達障害であるかもしれないという可能性を受け入れ、検査を行い、対策を取っていくべきだとは思いますがーー。
「共感の態度」「笑顔」がないことに、アコは苦しみます。ほかの友人の家ではDVが行われ、離婚した家庭もある。私はそういう状況じゃないのに、夫との距離は離れている。これっていいのだろうか。

ある日、第二子のぽったんの夜間育児をお願いしたアコ。しかしその日、驚きの行動をユーマは起こします。
なんと1階で一緒に寝ていたはずのぽったんをほっぽり置いて、ユーマは2階の寝室で寝ていたのです。

一人ぽっちで泣き叫ぶぽったん。信じられないユーマの行動。。
様々なことが重なり、アコは、離婚を決心します。
しかしそれを告げるとユーマは「親権は俺が持つ」と訳の分からないことを言い始め…。

二人の行く末は、ぜひ漫画でご覧ください。

誰にも理解されない状況

本作を読んでいて本当に辛いのが、アコさんが身動きの取れない状況に陥っていること。

目立った危害を加えず、なんなら子供たちを可愛がるユーマさんに対して、アコさんが嫌悪感だったり絶望を覚えるその気持ちは、なかなか他者に理解されにくいのです。

なおかつ、夫が自分のことをASDである、という可能性を捨ててしまった状況では、離婚以外の選択肢が取れなくなってしまいます。

うーむ、本当に読んでいてきつい状況でした。

『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』お得に読む方法

私が調査した結果、以下の方法が最もお得です。

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終わりに

今回は『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』をご紹介しました。

さて、先述ですが、基本的にユーマは最後まで救われません。
でも、ユーマのような人は救われなくても仕方ないのでしょうか。

いろいろと考えさせられます。
ぜひご一読ください!

どうも、グルリンゴ(@entame13423)でした。

以下の記事では、離婚やモラハラ、パワハラ、DVなどの漫画をまとめて紹介しています。
ご興味のある方はぜひご一読ください。

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漫画や映画などエンタメ作品に取り憑かれた編集者です。

編集歴15年以上。大学卒業後、出版社に就職。雑誌や漫画、ビジネス書などの編集を経験。これまで手掛けた作品は50作以上。

幼少期から本に囲まれる生活を送る。年間の読書量は漫画100冊、書籍30冊程度。映画の鑑賞本数は年間100~200本程度。自分が「これは面白い!」と思った作品を(押し付けがましくないように)人にオススメするのが生きがいで、このブログを始めました。

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