こんにちは。漫画大好き編集者のグルリンゴ(@entame13423)です。
今回ご紹介するのは、『週刊少年ジャンプ』2023年34号(7月24日発売)にて掲載された読み切り漫画「殺陣ロール」です。小園江ナツキの描く超スピードお嬢様バトル。
個人的には「ノブレス・オブリージュ」(=地位のある人の責務)の精神を全面に出しているところが斬新と思いました。
『殺陣ロール』感想(ネタバレ)
個人的星取
☆4.1 すべての要素が高水準
作者紹介
東京藝術大学在学中と思われます。「ジャンプ+」にて「ウパ野ルパ子は一般人」掲載。ジャンプの漫画学校の卒業制作作品。
Twitterは以下より。
あらすじ・概要
超スピードお嬢様バトル。とある町を、お嬢様が荒くれ者から守るーー!
感想・評価
物語設定、キャラクター、ユーモア、アクション、画力。すべてがハイクオリティな一作でした。
今回は読み切りではありますが、ここまでのクオリティだと恐らく連載を見据えての掲載でしょう。
「SAKAMOTO DAYS」感はありますが、題材が被っているわけではありません。
個人的には「ノブレスオブリージュ」の精神を全面に出しているところが斬新と思いました。
「ノブレスオブリージュ」とは、地位のある人には社会的責務が伴いますよーという意味です。
清花町(せいかちょう)にならず者がやってきたとき、主人公の「縦ロール」こと絡繰家令嬢・絡繰花音(からくりかのん)が悪党を退治するという設定です。
「殺陣」ということで、殺しはしません。花音は「できるのは貴方を殺すことですわ」と言いますが、ここでいう「殺す」とは、「改心させる」意味合いで使われています。これは面白い。
いわゆる「るろうに剣心」の逆刃刀や、「ザ・ファブル」の「殺さない掟」に似た、エンターテイメントとして効果的な設定です。
殺し屋ものになると、どうしても「殺されすぎ」が問題になります。殺された側にも人生がある……。今漫画、ひとを殺しすぎじゃない?なんて意見も昨今多く耳にします。
そこを逆手にとり、かつ現代の格差問題に対してのメッセージ性を取り入れたのが「ノブレスオブリージュ」という設定です。これはうまい。
バトルものとしての素養があります。髪の毛を攻撃に使うというのは『ゲゲゲの鬼太郎』から始まり『うしおととら』『ジョジョの奇妙な冒険』などありますが、アクション描写を見る限りある程度の差別化ができています。
主人公がダジャレを言う、という設定が組み合わさっていて効果的です。「縦ロール」は「殺陣ロール」なのです。このダジャレが、くだらないのにスタイリッシュに描かれています。
謎が多くあります。なぜこの町にはならず者がやってくるのか。花音の両親の設定。なぜならず者たちを倒すのかの具体的な設定などなど。やはり連載を意識した漫画
どうも、グルリンゴ(@entame13423)でした。
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