こんにちは。漫画大好き編集者のグルリンゴ(@entame13423)です。
今回ご紹介するのは、風水にハマってしまった自己肯定感低めの女性と、その家族の顛末を描く『占いにすがる私は間違っていますか?』です。
本当に心が弱っているとき、あなたは宗教や占いにハマらないと断言できますか?
本作は丁寧に、占いにのめり込んでしまう感情を浮かび上がらせます。
恐ろしいですがタメになる一冊です。
何かに騙されてしまったとき、一番重要なものは何か。
大切にすべきことを教えてくれる一冊です。
『占いにすがる私は間違っていますか?』ネタバレ
個人的星取
☆4.0 KADOKAWAの「シリーズ立ち行かないわたしたち」シリーズ最新作。今作もクオリティ高いです。
Amazon星取
2024年1月30日
☆:3.5
レビュー数:6
作者紹介
福々ちえ:マンガ家&イラストレーター。書籍挿絵をメインに15年活動、2020年からマンガを描いている。婚活8年迷走して現在は娘&夫と三人暮らし。 はちみつコミックエッセイより『稼いだら幸せになれると思ってた』を出版。
(引用:Amazonn内容紹介)
あらすじ・概要
ただ幸せになりたかった、それだけのつもりだったのに。
「運気を向上させる」「必ず幸せを掴む」そんな言葉に頼るしかないと思ってしまった。
スピリチュアルの沼にはまってしまった女性たちの結末とは―。
2人の子供と優しい夫に囲まれて幸せな家庭を築く一方、自分に自信がもてずうじうじしがちな専業主婦の梅子。父と母の死を経て、梅子は実家の整理とリフォームを計画するが、その実家で娘が怪我をするなど不運な出来事が続き不安を覚えていた。そんな時、看護師として大病院で働く親友のあかねから風水を勧められる。実はあかねも進展しない彼との関係に焦りを感じ、定期的に電話占いを利用していたのだ。最初は半信半疑だった梅子だが、とある事故をきっかけに風水師に頼ることを決意する。風水師の助言に従って生活を送ると小さな幸運が続き、どんどん風水にハマっていった梅子は、行き過ぎた行動で周囲を巻き込み始める。そんな梅子に不信感を覚えた娘の結花は、母に内緒であかねに相談するが…。過去のトラウマ、将来への不安、家族や恋人への想い――ただ幸せになることを願い、占いにすがった2人の女性の波乱と縺れを描くセミフィクション。
【解説】
卯野たまご(漫画家・手相家) 著書『夢を叶える!引き寄せノート術』など
(引用:Amazon内容紹介)
感想・評価
子どもにちょっとでも「足りない」ところがあると、極端に心配になってしまう親は必読。
【主要登場人物】
石井梅子……35歳、専業主婦で2児の母。思い込みやすい性格。
石井克実……40歳。梅子の夫。眉間にほくろがある。あだ名は「大仏」。野原ひろし風の容貌。
石井結花・壱弥……9歳の長女と5歳の長男。
橘あかね……35歳、梅子の同級生。独身。
母との落差
梅子の母は明るかった。
ポジティブだった。
梅子が子供のころ、母は梅子のことを「我が家の幸運の女神」と評した。
梅子も、そんな母親になりたかったーー。
大人になり二児の母になった梅子は、自分のことを「ツイていない」と思い込んでいます。
確かに梅子の要領は悪いです。よくボーっとしているし、常にうじうじしているし。
でも、梅子には優しさがあります。夫の克実も、梅子のそんな魅力に気づいています。
しかし梅子は自分のことを認められません。
自己肯定感の低い人には、共感度が高い人物造詣です。
私も梅子の気持ちに感情移入してしまい、読んでいて辛かった。。
この手の人は、何から何まで、自分のせいだと思い込んでしまうのです。
母の突然死
梅子の母親は2年前に亡くなりました。突然死。
母が家で倒れているとき、梅子は電車に乗り遅れ、帰宅が遅れてしまいました。
1秒でも早く帰っていれば……。
梅子にはその時の後悔がこべりついています。
今の賃貸暮らしから、両親の実家への移動を検討するなかで、友人のあかねが「風水」を勧めます。
このあかねの言動が、梅子の運命の分かれ道でした。
夫のケガが妻を追い詰める
実家での引っ越しの作業中、克実が倒れてきた棚の釘によって腕をケガします。
腕からあふれる血を見て、梅子は顔面蒼白。
「この家は不幸が起きるんだ…」
母が突然死した実家。夫が腕をケガしてしまった実家。娘の結花が落下した梅の木がある実家。
これ以上不幸になりたくない、そんな想いから梅子は、風水師に現地調査を依頼することになるのです。
怪しい風水師
風水師によると、実家にある「梅の木」は切るか移植した方がよいとのこと。
この梅の木は、「梅子」の名前の元になっていて、母親が「梅は縁起がいいから」という理由で娘にこの名前を授けたのでした。
そんな梅の木を、風水師に「大凶」と評され震える梅子でしたが……。
本来だったら8万円する運気上昇フクロウの置物をもらったり、たまたま現地調査後に幸運なことが続いたことで、占いを信じ始めてしまいます。
風水師側が巧妙なんですよね。
本来は販売している高価なものをあげたり(もちろん本当に高価ではない)、「あなたには風水の才能があります」とおだててみたり、「ご両親が梅子さんを導いているみたい」と親エピソードに弱い相手に大ホラ吹いたり。
弱っている梅子には効果てきめんで、梅子はプロの風水師を目指すことになります。
風水師養成講座の金額は300,000円。
正論が通じない
新興宗教や占いにどっぷりはまってしまうと、抜け出すのは容易ではありません。
本作では、友人のあかねが梅子を説得しようと試みます。
「あなたは絶対に騙されている」と。
しかし梅子には伝わりません。
梅子は「騙されてなんかない!」と反論するのではありません。
「あなたになにがわかるの!?」「家族のために頑張っているんだよ」と梅子は言うのです。
そう、騙されかけているのはだれしもが気づいているのです。それでも、辛い状況から抜け出すためにもがいていもがいて、何かに縋り付きたくなる時があるのです。
すがりたい。すがらなければやっていけない。
占いにハマってしまった母親を見て、娘の結花がある行動にでます。
衝撃的な展開が訪れます。
家族に決定的なヒビがはいるのです。
誰が救うのか
この家庭のヒビを修復できるのは一人だけです。
メンタルが弱っている人がいたとき、誰がどのように寄り添えばいいのか、その方法が本作では示唆されています。
そして、本作の物語の主人公は梅子だけではないのです。
あかねも裏の主人公なのです。
辛い生い立ちで育ったあかねは、人を信じる力を失ってしまいます。
そんな時に、信じていた彼氏にも裏切られてしまうのです。
梅子とあかね。二人の両極端の女性の結末をぜひ見届けてください。
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