こんにちは。漫画大好き編集者のグルリンゴ(@entame13423)です。
今回ご紹介するのは、中学受験の地獄をまざまざと描いて見せる漫画『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』です。
中学受験をしたら家族に何が起こるのか、知りたい方はぜひ。めちゃくちゃリアルで面白い作品です。
中学受験者数は年々増加傾向にあり、いまや首都圏の小学生の5人に1人は中受しているというデータがあります。
しかし合格率は年々下がっています。
当然です。
枠は限られていて、一方で受験者数が多すぎるからです。
お受験対策は熾烈を極めます。
本作でも数々のお受験対策が登場します。
小学4年生からの入塾、親の教材作成、子どものモチベーション・コントロールに、夫婦間での意識のすり合わせ……。
しかしどれだけの手段を講じても、取り組んだことが正解だったかどうかわかるのは試験の結果発表日です。
地獄は、何年も何年も続くのです。
親子にとって、合格すればバラ色の人生。
親子にとって、不合格なら落第人生。
中学受験ものは小説でも漫画でもたくさんありますが、
本作はこれまで読んだ「中受」ものでも一番リアルな出来栄え!
『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』ネタバレ
個人的星取
☆4.4 ラスト、まじで痺れますよ。
Amazon星取
2024年5月16日
☆:5.0
レビュー数:2
作者紹介
●とーや あきこ:第15回コミックエッセイプチ大賞を受賞。自分の経験を元に母親と子供の間で起こる葛藤を描いた漫画を執筆。
(引用:Amazonn内容紹介)
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あらすじ・概要
自分と子供の境界がわからなくなってしまった。
希望、期待、焦燥、苛立ち、妬み…。
激化する中学受験を舞台に親子の葛藤を描くセミフィクション。
自分がかつて諦めた中学受験を、一人娘の綾佳に挑戦させることにした真澄。小学4年生から中学受験用の塾に通わせるものの、綾佳の成績は伸び悩むようになり、目指していたクラスに上がれないまま受験生最後の年を迎えることに。
そんな中、同じ塾に通っていて、綾佳より下のクラスにいたまりんが同じクラスにあがってくる。純粋なまりんとその母親のかなえに段々焦りと苛立ちを覚える真澄は、中学受験を諦めた自分と綾佳を重ねてしまい、綾佳に強くあたるようになってしまう。
一方、同じ塾に通う成績優秀な優也の母・潤子は、夫が自分の出身校に入れることにこだわっていることに疑問を感じながらも、自身も学歴コンプレックスがあり、息子を守り切れないでいる。
我が子を信じ、子供の勉強に伴走していたはずが、己のトラウマやコンプレックスとの闘いにまで発展していく中学受験。母親たちの葛藤と、それを乗り越えるまでを描いたセミフィクション。
【解説】
吉田たかよし(医学博士・心療内科医師) 著書『「受験うつ」どう克服し、合格をつかむか』など
(引用:Amazon内容紹介)
感想・評価
中学受験をしたら何が起こるのか、知りたい方はぜひ。
【主要登場人物】
井上彩佳……根がまじめ。母のことが好きだからこそ、母が狂暴化しても聞き入れてしまう。
井上真澄……彩佳の母。中学受験を諦めた過去があり、その分彩佳に期待してしまう。
橋まりん……彩佳のクラスメイト。ほがらかで優しい性格。
橋かなえ……まりんの母。子供に似て明朗快活。人を恨まず、思いやりを持って人と接する。
高瀬優也……彩佳のクラスメイト。成績優秀だが、親のことを信頼していない。
高瀬潤子……優也の母。自分の出身校への受験を息子に強いる夫に付き従う日々。
中受が始まる直前
小学3年生の2月は、中学受験をするかどうか、多くの親が決めるタイミングとなっています。
真澄は、彩佳が中学受験をしたいかどうか、彩佳の気持ちを丁寧にヒアリングします。
彩佳は「私にできるかな?」と不安になりながらも、真澄が心温く後押ししたことで、中学受験をする決意します。
真澄は過去に中学受験を諦めていました。
勉強が得意ではなかったから。
でもそんな人生を子どもに歩ませたくない。
同じ後悔を感じてほしくない。
真澄は彩佳を地獄へと送り出します。
同じマンションに住むまりん&かなえ、そして優也&潤子も同塾で、中学受験をすることが判明します。
まりんは勉強が得意ではありませんが、その明るい性格からか引け目を感じません。
一方、優也は成績優秀ですが、父親からの「受験は1校に絞れ。それも俺が出た中学と同じ高偏差値・名門校だけだ」という縛りにプレッシャーを感じています。
これまで仲良くやってきた3家族のお受験地獄がスタートしました。
人生が決まる最終学年
入塾してから2年。
6年生になった彩佳の成績は、伸び悩んでいました。
彩佳が目指している中学は「吉J女子」。
モデルは実在する「吉祥女子中学」のことでしょうか。偏差値は60~とハイレベルな女子の新御三家です。
母は成績の伸びない彩佳に非情に告げます。
彩佳には
必至な気持ちが足りないんだよ
引用:『合格にとらわれた私』
この2年で、彩佳と真澄は一緒に笑うことがなくなっていました。
クラスメイトとの比較
一方、まりんはこの2年で成績がグンと伸び、いつの間にか彩佳と同じレベルのクラスになっていました。
その事実を知った真澄は焦ります。
ずっと下のクラスにいたまりんちゃんと、いまは「一緒」なんて、と。
天真爛漫なまりんちゃんは、彩佳と同じクラスになれたことに大喜び。
その性格が、また彩佳にはきついのです。
いい子が相手ゆえの嫉妬、嫌悪。
なんてリアルな人間関係でしょう、小学生にして……。
偏差値71以上を目指す
優也の第一志望校はKS。
目安の偏差値は71以上。
優也は父親の命令により、KS中学以外を受験することができません。
母の潤子は、モラハラパワハラ夫に従うようマインドコントロールされています。
潤子は過去、受験の負け組でした。夫は受験成功した勝ち組。
その格差が、息子の中学受験を機に露呈してしまうのです。
そんな優也は、夫婦喧嘩を聞いて壁を蹴るしまつ。
ボロボロです。
中学受験は夫婦の協力が必須です。
しかし、お互い別人格の人間ですから、お互いの希望が全く違う方向なことも多々あります。
それをどうすり合わせていけばいいのか。
そんなことを考えながら読み進めてしまいました。
三家族の大人たちに試練
優也は塾をさぼり始めました。
それを何とか夫に隠す潤子。
しかしある日、バレてしまいます。
彩佳の成績はまりんに水をあけられてしまいます。
そのことを知った真澄は激怒。
「まりんちゃんに負けて悔しくないの⁉」と声を張り上げます。
まりんの母・かなえは、そのまりんの快活な性格が、皆に疎まれていることに気が付き始めます。
それでもまりんを支えようと奮闘します。
誰が勝者で誰が敗者なのか
この三家族、まだまだ紆余曲折あります。
作中で三家族の受験の結果は明示されます。
その結果はあまりに現実的。
しかしその時の子どもたちの態度は、大人たちを遥かに上回るほど、逞しいものです。
感動のラストと言っていいと思います。
そして最後の最後。
ある人物が呟いた一言。
この一言に、中学受験の神髄が現れています。
なんて人間味あふれるセリフなのでしょうか。
しかし、この人物はこの気持ちでお受験に臨んでいたからこそ、中学受験の勝者になったのです。
『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』お得に読む方法
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終わりに
今回は『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』をご紹介しました。
これ以上ないほど中学受験をリアルを描いて見せた作品です。
辛いですが、一読の価値あり。
中学受験を控える親御さんたちだけでなく、ぜひ、中学受験という闇に触れた人たちにお勧めしたい一作です。
どうも、グルリンゴ(@entame13423)でした。
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