こんにちは。漫画大好き編集者のグルリンゴ(@entame13423)です。
今回ご紹介するのは、夫婦生活も趣味も充実している37歳の女性が、「私って子供欲しいんだっけ?」と改めて考え始める漫画『子どもが欲しいかわかりません』です。
これまで「子供が欲しくて不妊治療」する漫画、「子供が欲しくないから独身生活を満喫」する漫画、どちらも存在しました。
しかし今作は「子供が欲しいかわからない」人物にスポットライトを当てています。
仕事に忙殺され、趣味を満喫し、夫と二人で満足に暮らしている……そんな私に、子供が必要なのか。
私はそもそも子供が欲しいのか?
子供の有無に関する、斬新な切り口の一作です。
読んだ誰もが思うはず。「いや、早く妊活しなよ!!」と。
しかし、世の中は決断できる人ばかりではないのです。
『子どもが欲しいかわかりません』ネタバレ
個人的星取
☆3.6 KADOKAWAの「シリーズ立ち行かないわたしたち」シリーズ最新作。シリーズの中では珍しい絵柄です。面白いです。
Amazon星取
2024年5月1日
☆:4.2
レビュー数:12
作者紹介
●大町 テラス:漫画家。サウナ漫画『お熱いのがお好き?』でデビュー。ほかの著書に『まにまに道草』『ハラがへっては育児はできぬ』などがある。
(引用:Amazonn内容紹介)
あらすじ・概要
ただ幸せになりたかった、それだけのつもりだったのに。
子どもっていつ産めばよかったんだっけ?
結婚するしない、子どもを産む産まない。生き方の選択は自由で、しあわせの形は人それぞれだけれど、女性の体の出産タイムリミットは変わらない中、子どもの有無について考える、価値観をゆさぶる意欲作!
【あらすじ】
ごくフツーの家庭で育ち、仕事は頑張れば頑張るほどいいものだと思って働きづめていた主人公・青木カナコは、マッチングアプリで出会ったエンジニアのリョウと結婚し、平穏な夫婦生活を送っていた。だが――。夫とはレスだったけど妊活をはじめたマリカ、産後3カ月で職場復帰した元バリキャリのサキ、彼はいるが結婚にはこだわらず推し活を謳歌するハルミ。30代後半に差し掛かり、ライフステージが次々と変わっていく友人たちを目の当たりにし、カナコは戸惑う。「私って子どもが欲しいんだっけ?」 若い頃は、結婚して当然のようにいつか自分にも訪れると思っていた妊娠と出産だったが、真剣に向き合わぬまま「高齢出産」と言われる年齢になっていた。なぜなら、そもそもカナコは心から「子どもが欲しい」と思ったことがなかったのだ。自分は欠陥人間なのだろうか?もし子どもを授かれたとしても、”ちゃんとした母親”になれるのか? 母親になって後悔しないだろうか。これまで積み上げてきたキャリアは? 右往左往しながらも、カナコが出した答えとは――?
(引用:Amazon内容紹介)
感想・評価
性別問わず、子どもが欲しいか悩んでいる人必読。妊活の経緯も描いてあります。
【主要登場人物】
青木カナコ……37歳。フリーランスのライター。編集者。趣味はサウナ通いと飲酒。非常にまじめで穏やかな性格。
青木リョウ……35歳。カナコの夫。優しい性格で、カナコの悩みにそっと寄り添う。ただしどこか人任せなところもある。
まずネガティブなところから……
先に声を大にして言わせてください。
37歳まで何を考えていたの⁉と。
子どもを欲しい家庭が、どのタイミングで子供を持つかはもちろん自由です。
しかし、知識だけは20代のうちに得てほしい。そのうえで、産むか産まないかを判断すればよいと思うのです。
この作品に登場する青木家は、妻が37歳、夫が35歳。
彼らは、その年になるまで、真剣に「出産」に向き合ってきませんでした。
ほぼ何も考えてこなかったと言ってもいいと思います。
周りの友人が子持ちになり、焦りを感じてから向き合い始めるのです。
その結果何が起きるか。
不妊治療です。
しかも、心も体も過度に負荷を受ける不妊治療になります。
なぜなら、残された時間が無いからです。
作中でも言及されますが、卵子と精子の老化は医学的に止められないのです。
それを避けたいなら「卵子凍結」「精子凍結」すべきであり、しかし彼らにその知識はない。
この作品は、上記のことは分かったうえで、等身大の30代後半の登場人物たちが悩む様子を描いていると思います。
仕事に忙殺される毎日。
しかし仕事にやりがいは感じている。
そして、パートナーとの関係は良好。
なぜなら子供がいないから。
子どもについては、目を背けてきて、いつの間にか30代後半になってしまった……。
そんな人たちは絶対に読むべき一冊です。
これを読んで気づくべきです。
もし子供が欲しいなら、今すぐ動きだすべきだと。
今の人生で満足
カナコとリョウの出会いはマッチングアプリ。
特徴的なのは、カナコはプロフィール欄に「子供が欲しいかわならない」と書き、リョウは「子供については相手と相談して決める」と書いていること。
どちらも本心でそれを書いていました。まだわからない、どうなるかわからない、と。
カナコは出版社を独立してフリーのライター・編集業をしています。
お酒が好きでよく飲み歩き、サウナも大好きです。
夫婦関係も良好。
カナコは「子供を授かるタイミング」を逸し続けてきました。
子どもを産むとどうなるか
カナコはフリーランスです。
もし子供を産んだら、最低でも1年は仕事を休まなければならない。
今まで積み上げてきたものが壊れてしまうかもしれない。
そんな恐怖があります。
子供がいなかった友人が、人工授精を試して妊娠したとの連絡があったとき、カナコは素直に喜べませんでした。
仕事に忙殺される
出版社勤めの時のカナコは、日々忙殺され、心身ともにボロボロでした。
会社は休職し、それがきっかけでリョウと同棲。
カナコはフリーランスの道を選び、自由度は増した分、仕事へのやりがいが増し、また出産は遠のくのでした。
友人へのインタビュー
カナコは「こどもがほしいかわかりません」という書籍の執筆依頼を受けることにしました。
それ以来、子持ち、子無し、双方への取材をすることに。
主に親友から話を聞いていくと、段々とカナコの認識も変わります。
10年来の酒飲み友達で一児の母・サキに話を聞くと、こんな答えが返ってきました。
カナコ「まだ…子ども産んでいいのか…わからなくて…」
サキ「うん」
カナコ「今の生活にけっこう満足してるのに…ここに子供が産まれて…今の生活が一変しちゃうのが怖いというか…」
サキ「あ~わかるわ~」
カナコ「え…ほんと?じゃサキちゃんは何でつくろうって思えたの?」
サキ「うーんとね…今の生活が変わっちゃう怖さよりも自分とケンちゃんの子どもに会えないで一生が終わる怖さのほうが勝っちゃったから…かなー?」
『子どもが欲しいかわかりません』より
火の玉ストレートのサキの意見が、またカナコの心を揺り動かします。
高齢出産、そして驚愕の展開へ
カナコは意を決し、不妊治療を決めます。
しかし改めて、37歳という年齢が立ちはだかります。
人間ドックの結果は要再検査。
そこで、子宮にポリープがあることが判明します。
詳しく調べてみると……驚愕の事実が判明します。
高齢出産に加え、不意打ちだった病気の発覚により、カナコは改めて覚悟を決めることになるのです。
最後の写真の意味は……
ラストの展開にも驚かされます。
ここでネタバラシはしませんが、私はあの最後を、好意的に受け止めました。
作者自身が悩みながら本作を描いたことが伝わってきたからです。
正解はないのです。
子供がいること。
子供がいないこと。
正解がないからこそ、答えは読んだ人それぞれの人生にあるのです。
正解がないというのは、不正解はないということ。
そのメッセージが伝わってきました。
まずは何よりも自分を大切に
キーワードとして「ご自愛」という言葉が出てきます。
まずは自分を愛さなければなりません。
子供の有無関係なく、将来の自分を愛することができるように、そんな決断を心掛けるべきなのです。
『子どもが欲しいかわかりません』お得に読む方法
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終わりに
今回は『子どもが欲しいかわかりません』をご紹介しました。
気になるところは多々あります。
出産への向き合い方に違和感があるだけではなく、大人本位で子どもの幸福についての話が出てこないところなど。
でも私は、それがリアリティだと思うのです。
どうも、グルリンゴ(@entame13423)でした。
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