こんにちは。漫画大好き編集者のグルリンゴ（＠entame13423）です。
今回ご紹介するのは、「週刊少年ジャンプ」にて連載中の漫画『大東京鬼嫁伝』1巻です。単行本を買うまで「週刊少年ジャンプ」連載とは知らなかったのですが、読んでみて納得、めちゃくちゃハイクオリティな作品です。
しかし調べてみると、掲載順位も下位で、打ち切り危機に面している模様。マジか。こんなにも面白い作品がなぜ……。是が非でも長く続いてほしいので、ここで紹介できればと思います。
『大東京鬼嫁伝』１巻・感想（ネタバレ）
出版社：集英社
個人的星取
☆4.4 もののけ要素もバトル要素も恋愛要素も全て噛み合った良作！
Amazon星取
2023年2月26日
☆:4.5
レビュー数：26
作者紹介
仲間只一……ネット上でもほとんど情報が出ませんが、「まんがseek」によると、2015年に漫画家デビュー。「エイリアンズエイジ」「空想科学少年」「魔法少年」と読み切りをジャンプ本誌・増刊で掲載し、『大東京鬼嫁伝』が本誌初連載の模様。
あらすじ・概要
子どもの頃に交わした結婚の約束を果たすため、鬼の姿をしたもののけ少女、愛火童子（まなかどうじ）が高校生・花札進太（はなふだじんた）のもとにやってくる！ 進太の身に降りかかる災いを払い除けるために二人は同居することになって、平穏な日常は一変!? もののけが蔓延る東京で巻き起こるバトル＆コメディ、開幕！
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感想・評価
こんなにも面白い漫画が打ち切り危機なんて……やはり「ジャンプ」本誌での連載はハードルが高いです。「ジャンプ＋」や「ジャンプSQ」での連載なら間違いなく長続きするはず。
恐らく、ジャンルを詰め込みすぎて方向性が見えない、というのがアンケートが集まらない理由なのだと思います。
美点はいくつもあります。絵は間違いなくうまい、もののけのキャラクターも書き分けられている、アクションも理解しやすい、愛火童子のリアクションがキュート、花札一家の背景が気になる（ドラマ部分に惹きつけられる）……。
しかしこの美点が、どれも突き抜けていない、という評価なのだと推察はできます。バトルをしたいのか恋愛したいのかコメディしたいのか微妙に分かりづらいというところでしょう。ジャンル横断作品ゆえの弱点です。
でも、私は声を大にして言いたいです。全ての要素が突き抜けてね！？と。
最もクオリティが高いのは絵の、線の美しさでしょう。本誌連載でも十二分にやっていける画力です。著者がこれまで読み切り掲載のみの人とは思えないです。少し『青の祓魔師』加藤和恵さん味があるでしょうか。
アクションはどうでしょうか。
さすがに「壱の技」は鬼滅っぽすぎますし、アクション全体に鬼滅や呪術の影響を感じますが、そこはちゃんと作者ならではのオリジナリティが施されています。
相手を変身させるという技のユーモラスな雰囲気が、愛火童子にぴったり合っていますし、蛙人の可愛らしさと水を操るカッケー能力のギャップに萌えます。なにより敵対勢力とのパワーバランスが取れています。インフレが起きないように最新の注意を払っていることが伝わってきます。
ストーリーはどうでしょう。主人公一家が血の繋がらない家族。姉、弟、妹、この組み合わせはアクション漫画にしては斬新です。何らかの理由によって、いまは固い固い絆で結ばれています。各々が自分の居場所を見つけています。そして、相手の事情に深入りせず、相手の意思を尊重します。非常に現代的です。
花札進太の「血」の過去が、愛火童子や怪異を呼び寄せたきっかけになっているのは間違いないです。古今東西の漫画の良いところを抽出して換骨奪胎できている……と個人的には思うのですが。
ありがちな物語設定ではあるのですが、愛らしい各キャラクターの魅力がストーリーを補っています。一途な愛火童子のリアクションがいちいち面白いです。敵キャラもどこか憎めず、ある意味人間味があります。だからこそ、長く続いてラスボス的な怪異を登場させてほしいのですが……。
『大東京鬼嫁伝』1巻をお得に読む方法
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終わりに
今回は『大東京鬼嫁伝』1巻をご紹介しました。こんな傑作が打ち切り危機なんて信じられません。ぜひ皆さんにも応援してほしい！私もジャンプのアンケートを投票してきます。
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